世の中には3種類の人間がいる。 文化の創造者。文化の消費者。文化など意に介さない人。
私は、このところ「創造」をテーマに仕事を進めています。
いきおい、「創造」にまつわる言葉に敏感になります。
先日、本を読んでいて、ふと目について考えさせられていた言葉をご紹介します。
世の中には3種類の人間がいる。文化の創造者、文化の消費者、文化など意に介さない人。最初の二種類の人間のどちらかになるようにする。デザイナー 「カリム・ラシッド」
そもそも、なぜこの言葉に引っかかるのか?
それは、私も整体という仕事を活かして、もっと社会でイキイキと自分らしく活躍できる人材育成に取り組みたいと考えているからです。
これから活躍する「人材」って、どんな人なのか?
それをいつも考えているわけですが・・・
戦後の高度経済成長期に必要とされたのは、画一的な規格にはまる人材でした。
小学校、中学校、あるいは高校まで出て就職、というコース。
イメージとしては、工場労働者ですね。
その後、次第にホワイトカラー人材の必要性が高まり、
小学校、中学校、高校、大学へ。というコースが一般化。
これも、一定水準の品質を保った労働者育成のために、
旧大蔵省の官僚が作った日本人の育成モデル。
これはある意味、
「統一規格人間生産ライン」
だったと言えるでしょう。
小学校から始まるラインに乗り、卒業した大学のレベルに応じて、社会の中の居場所に配当されたわけですが、
かつての日本は、終身雇用制など、企業と社員を結びつける何らかの関係性が、現在と比べれば色濃くありました。
そういう意味で、
この人間生産ラインに乗っていさえすれば、ある程度の社会的成功が担保されていたとも言えるでしょう。
ところが、現在はどうでしょうか?
終身雇用制など過去の遺物。
企業も社員もお互いを利用するだけのドライな関係。
親が大金を払って行かせた大学の卒業証書は、最初の就職時に使うためだけの代物で、後はなんの役にも立ちません。
下手な大学の無意味な(失礼)学部にいくよりも、専門学校で手に職をつけ、一年でも早く社会で揉まれた人の方が出世するケースも多い。
だいたい、一部の有名私立大学を除けば、少子化で入学者の減少を食い止めることに神経の大半を割いている裏事情があるわけで、
そんな中、質の良い教員は、良い報酬を払える財力のある学校法人に集まりますから、それ以外の学校は?・・・推して知るべしでしょう。
私たち親も、
子どもに試験の成績を追っかけさせるだけでは、
失敗コースに向けひた走らせている
ことになりかねませんね。
で、不思議なことに、というか、恐ろしいことに、
いまだに旧大蔵省の描いた成長モデルが学校教育の現場で生き続けているんですよね。
私の知る限りでは(まあ狭い範囲ですが)
例えば中学生の子がいるとして、
学校の先生はもちろん、一般的に保護者の口から出る「進路」の話は、
我が子の偏差値で合格できるギリギリラインの高校を攻めるか?はたまたランクを落として安全パイで行くか…といったな内容に終止しますね。
ギリギリを攻めるか?
アンパイで逃げるか?
麻雀か!(笑)
本来、進路を考えるということは、
その子の特性とか、興味とか、将来の希望は何か?を
丁寧に引き出しながら、実現のための可能性や、
選択肢を一緒に考えること
だと思います。
私自身は、中学生の娘に、
特にこの分野の研究を深めたい、というテーマが明確に無いなら、大学なんか行かずに、さっさと就職して早く社会に出たほうが良い。
下手に22歳で社会に出るより、16歳で社会で出てれば6年も先を行けるんじゃない?
そのまま必死に働いて、実践経験を積んで実力をつけ、起業して社長になれば?
会社設立要件に大卒なんてないしね。
もし、どうしても将来やりたい仕事、もしくは就きたい職業があって、高校、もしくは大学の卒業が資格として必要なら進学も応援するよ。
だから、まず、
将来実現したい状態、夢、希望をなんの制限もなく描きなさい。
そこから逆算して進学するかどうかを決めなさい。
そのかわり、やるとなったら、とことん応援するから。
…と言った話を常々してます。
まあ、へんな親ですね(笑)
でも本気なんですよね。
社会の価値観はガラガラと変わり続けて
います。
10年前、いや去年の今頃だったら想像もできませんでしたしね。
こんな大きな歴史的転回は、これからも続くでしょう。
東洋伝統の暦によると、これを乱世というそうです。
なんと、あと20数年間はこの乱世が続くんですよね。
そういう、社会の価値観自体がガラガラ変わるときに、
「資格を取った」「大学を出た」
そういうものは小さなプライドの拠り所にはなっても、人生成功の根拠としては弱いでしょうね。
とにかく、
資格とか、会社とか、組織とか、過去の成功モデルとか、
そういった「何か」に寄っかかることなく、
深い思考力と人間的魅力
で、
自分の道を自分で切り開いていく人間になること。
それが、
これからの時代に成功出来る人材だと私は信じています。
さて、ここで、冒頭にご紹介した言葉、
世の中には3種類の人間がいる。文化の創造者、文化の消費者、文化など意に介さない人。最初の二種類の人間のどちらかになるようにする。デザイナー 「カリム・ラシッド」
ですが、
ここには、これからの時代の成功モデル、失敗モデルが凝縮されている気がします。
私自身は、文化の創造者になりたいなあ・・・。頑張ろう!
さて、
この話を踏まえて昨日、娘に言って聞かせたんですが…
これまでの日本では、「枠にはまる人」が評価されてきたけど、
これからは、「枠を創る人」が社会から評価されるし、お金にも恵まれる人になるよ。
…という話をしました。
それに対して、
娘曰く
「じゃあ、ウチは枠を壊す人になるわあ♪」
と。
あれ?
親父、先をこされたかな(笑)