日本大学アメフト問題から考える 本当の勝者は?
日大アメフト問題
今現在、あらゆるメディアの格好のネタになっていますね。
真相解明は、まだこれからでしょうから、ここでは深入りしませんが・・・
私はこの一連の出来事から
勝つことは良いことだ
という考え方について、いろいろと考えさせられています。
スポーツですから「勝った負けた」がありますね。
勝つことは努力の成果ですし、楽しいですし、モチベーションも上がります。
私も小学校、中学校、高校と野球をしていましたから、
あくまで試合で勝つことを目指して練習していました。
当然ですね。
もしも、
必ず負けることを目指して日々厳しい練習に取り組んでいる野球チームがあったら、
特別天然記念物指定
してもいいくらい希少価値があります(笑)
もはや
トキ
ですね。
提供:環境省
ただですね
勝つことは良い、負けることはだめ。
これだけでは、
単細胞生物の考え方
だと思います。
勝ち=価値が「ある」
負け=価値が「ない」
というように、
2つの概念が対立した構造に単純化しないと、
物事の価値判断ができない人間だということになってしまうからです。
勝ちか、負けか?
白か、黒か?
で分ければ、たしかに分かりやすいんですけどね。
でもですね
白と黒が混ざってグレーだったり…
赤と白が混ざってピンクだったり…
善と悪
とか
美と醜
とか
真と偽
とかが
ごちゃまぜになっているのが、
私達の住むこの世界ではないですか?
気立ての良い人が、いろいろ重なって犯罪者になったり、
元犯罪者が悔い改めて、素晴らしい人格者として人を導いたり、
そんな例は枚挙に暇がありませんね。
物事は、単純に「良い、悪い」で判断できないものです。
この「勝つことは良いことだ」という考え方。
要は、
「目的と目標の取り違え」
だと私は思います。
目的(何のために)…旅行に例えれば「行き先」
目標(何をどのように)…旅行に例えれば「移動手段」
ですね。
果たして移動手段は、
飛行機なのか、
新幹線なのか、
フェリーなのか、
マイカーなのか、
自転車か、
歩きか。
行き先が決まってなかったら、交通手段は選びようがないですよね。本来は。
私は
「勝つこと」はあくまで目的ではなく、目標
だと考えます。
だから、
「勝つ」ことは到達点でなく、プロセス。
「負け」ることも到達点でなく、プロセス。
では、どこに行き着くためのプロセスか?
それは
「成長」
でしょう。
今回の日大の問題は、
指導者側が
「選手の成長のために」が目的でなく、
「競技の勝利だけ」しかみてなかったんじゃないですかね?
チームの、大学の、そして指導者自身の権貴栄達(けんきえいだつ)※栄えて権力を得、高い地位に進むことを目的として。
私が今教えて頂いている
「剣道」の教え に、
打って反省、打たれて感謝
という言葉があります。
私はこの言葉、好きなんですよね。
私流に意訳すると、
一本とっても(勝っても)、本当に今の打ちは正しい打ちだったか?と謙虚に自分を振り返り、
一本取られても(負けても)、自分の隙や弱点を教えて頂けたと感謝できているかと謙虚に自分を振り返る。
勝とうが負けようが、全てを成長の糧にする。
と解釈しています。
これは、「成長」を目的としている人だから出来る考え方ではないかと思います。
しかし、いいなあ・・・
勝った時に、これでいいのかと反省し、
負けた時に、教えてくれてありがとう、と心から感謝出来る。
そんな素直な人間でありたいものです。
こういう考え方の出来る人が、
人生の本当の勝者なのかもしれません。
そういう意味では、
我が娘が剣道の試合で
勝てば嬉しい気持ちになり
負けてがっかりする・・・
私もまだまだ修行が足りませんなあ(汗)
反省です。